おやすみ、先輩。また明日
びくりと、山中さんの細い肩が揺れた。
罵声を浴びせられるかと思ったけど、他にはなんの反応もない。
わたしもしゃがみこみ、きっちり真ん中でわけられた彼女の髪をじっと見つめる。
「もしかして……神林先生のことが好きなの?」
「なんなの!? わたしのことなんて放っておいてよ! わたしのこと、嫌いなくせに!」
顔を伏せたまま山中さんが叫ぶ。
鼻声で、苦しそうで、同情を誘うような声だった。
いつもの迫力がなくて、逆に戸惑う。
「嫌いじゃないよ」
「うそつき!」
「好きかって聞かれると困るけど、嫌いだとは思ってないよ。
どっちかっていうと、わかり合いたいっていうか、仲良くなりたいとは思ってる」
「……信じらんない。わたしはあなたが嫌いだわ」
「うん。それは知ってる。理由は神林先生?」