おやすみ、先輩。また明日

山中さん、須賀ちゃんはそれが普通なんです。

本人にふざけてるつもりなんか微塵もないはずだ。


だからこそ山中さんとは水と油なんだろう。




「うるさいよ1年! あんたらは本当にケンカばっかりだね!」



ペナルティが必要かな?

なんて笑顔の部長に言われて、わたしたちはこの時ばかりは同じタイミングでぶんぶんと首を振り、息をそろえてすみませんと謝った。


部長は怒るととても怖い。

尊敬してるけど、怖いものは怖い。


2年の先輩たちも、呆れたように笑ってる。


あ~。
また先輩方に迷惑かけてしまった。



「まあまあ、部長。彼女たちはこれがコミュニケーションになって上手くやってるんだよ。ねぇ?」



そう柔和な笑顔で間に入ってくれたのは、うちの顧問の神林先生だ。

30代前半の、細身で気の良さそうな笑顔をいつも浮かべている神林先生は、この学校の家庭科教諭。

< 43 / 356 >

この作品をシェア

pagetop