強迫性狂愛
「百花?」

「迅……っ!」


迅の匂いを体一杯で感じながら、声を押し殺したまま泣いた。


「百花、どうした」

「……迅…」


迅が好きなの。


好きに、理屈なんてない。


……離れることなんてできない。


百花は、先ほどの翔の唇の感触をもみ消すように、迅の胸元のシャツに顔を擦りつけた。


付き合ってだとか、そんな贅沢は言わないから。


側に置いてくれるだけでいい。


婚約者がいたってかまわないから…


陰華の巫女でもなんでもいい……私を求めてくれるなら…


私は、それだけでいい――…。

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