強迫性狂愛
第9章

冬休み

――…その日は、いつも静かな黒澤家のお屋敷が、どこか騒がしいと感じながら目を覚ました。


隣で眠る迅を静かに揺さぶった。



「迅、迅…」



僅かに、瞳を開けたかと思うとまた閉じていく顔に思わず可愛い、と見入っていると



「百花っ!!」



紅がノックもなしで飛び込んできたことに思わず動きが止まった。



「わっ、な、…え?」



言葉にならずに戸惑いながらも、冷静に言葉を選んだ。



「…あ、今日終業式だったよね。起きるから」



時計を見ると、時刻は7時を過ぎていた。


迅が傍にいてくれるからか、居心地がいいみたいで、すっかり深い眠りについていた。


最近、全然寝れてなかったから。なんだか、すっきりしたかも。
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