饅頭(マントウ)~竜神の贄~
 神明姫から器を受け取り、虎邪はのそのそと起き上がった。
 あまり無様なところは見せたくないが、ゆっくり動かないと頭が割れそうだ。

 妙な味の水を飲み、虎邪は、ふぅ、と息をついた。

「・・・・・・有り難うございます」

 水は不味かったが、不思議とこの状態で飲んでも、何ともない。
 今は何を胃に入れても吐きそうなのに。

「まだ気分は悪いでしょう? 昼餉はお粥にしましょうか?」

「昼・・・・・・」

 言われて虎邪は、ゆっくりと窓を見た。
 明るい日差しが、さんさんと降り注いでいる。
 時間の経過も、よくわからない。
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