饅頭(マントウ)~竜神の贄~
「は? 神官? ご冗談を。神官というものは、こんな貧相なナリをしているものではありませぬ」

 そして、やれやれ、というように、ぽん、と姫の肩を叩く。

「全く姫君は。世間知らずにも程があります。だからこそ、大人しく私のところにくれば良いものを・・・・・・」

「そそそ、そちらこそ、ご冗談を! いくら言われても、あなたのところになど参りません!」

 ばしんと肩に置かれた手を叩いて、姫は男を睨み付けた。
 しばらく成り行きを見守っていた虎邪だったが、聞き捨てならない話に口を開く。

「おいおっさん。あんた何言ってんだ。姫を貰い受けるつもりなのか? 正気かよ。釣り合うとでも思ってんのか?」

 ずけずけと言いたい放題の虎邪に、男は憤怒の形相で詰め寄る。

「貴様ぁっ! 貴様こそ神官などと嘯いて、勝手にこの町に入り込みやがって! 貴様のような小僧、この場で叩き斬ってくれる!」

 男の怒鳴り声に、両サイドの破落戸が、さっと虎邪のほうへ動く。
 虎邪はとりあえず、引き寄せていた神明姫に視線を落とした。
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