饅頭(マントウ)~竜神の贄~
「あっ・・・・・・わかったわ!」
不意に声を上げた神明姫に、露が驚いて顔を上げた。
がばっと窓に飛びつく神明姫に、露は慌てて腰を浮かす。
「ど、どうなさいました。あまり動くと、馬車の安定が崩れます」
「わかったのよ! 初めて見たときには、緑柱様が夢のかただと思ったのに、全然気にならないわけが」
勢い込んで言う神明姫に、露はきょとんとする。
「剣だわ! 何故だか今、いきなり気づいたの。虎邪様の剣、夢のあのかたの剣だわ、きっと。だから、あんなに怖かったのよ」
夢の中のあの人のことは、顔すらもよくわからない。
まして剣など、刃がやけに光ったと思ったぐらいで、それこそ全く見ていなかったと思うのに、何故いきなり今気づいたのだろう。
「え、じゃあ、あの神官様が、姫様のお相手ですか?」
露に言われて、勢い込んでいた神明姫は、少し赤くなった。
すとん、と座席に座り直す。
「・・・・・・そういうことかしら。た、確かに、一緒にいればいるほど、気づけば惹かれていくお人ではあるかも・・・・・・」
もぞもぞと言っている間に、馬車は程なく屋敷に着いた。
不意に声を上げた神明姫に、露が驚いて顔を上げた。
がばっと窓に飛びつく神明姫に、露は慌てて腰を浮かす。
「ど、どうなさいました。あまり動くと、馬車の安定が崩れます」
「わかったのよ! 初めて見たときには、緑柱様が夢のかただと思ったのに、全然気にならないわけが」
勢い込んで言う神明姫に、露はきょとんとする。
「剣だわ! 何故だか今、いきなり気づいたの。虎邪様の剣、夢のあのかたの剣だわ、きっと。だから、あんなに怖かったのよ」
夢の中のあの人のことは、顔すらもよくわからない。
まして剣など、刃がやけに光ったと思ったぐらいで、それこそ全く見ていなかったと思うのに、何故いきなり今気づいたのだろう。
「え、じゃあ、あの神官様が、姫様のお相手ですか?」
露に言われて、勢い込んでいた神明姫は、少し赤くなった。
すとん、と座席に座り直す。
「・・・・・・そういうことかしら。た、確かに、一緒にいればいるほど、気づけば惹かれていくお人ではあるかも・・・・・・」
もぞもぞと言っている間に、馬車は程なく屋敷に着いた。