地下世界の謀略



手間のかかる女、と思うと同時に安堵感が無様にも心の内に滲みてくる。

それが憎らしいと、アルトは心底唇を噛み締めた。



「……アンタ、やっぱりここ、似合わねえ」

「…は、」


突然何を、と月が問う前にアルトが自身を嘲笑うように口元を緩ませた。



「死に鈍感すぎる。命いくつあってもきっと、アンタには足りない。"危険"って言葉を知らないからだ」


それを承知の上で行動を共にしているというのに。

まるで月だけを責めるように促して自分の思考をもみくちゃにする。そうして、自ら抱えた責任を放棄したくなって、傷つけたくなる。

(そんな存在なんだよ、アンタは)



それでも。




「……俺がアンタを拾ったのは、アンタが生きたがってたからだ」

「!」



これだけは言っておかなければ、俺は彼女を拾った責任を詰りつけるというみっともなく、愚かな自分であってしまう。


それだけはごめんだ。




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