二度目の恋
「違うよママ。リュウだと知ってて殺したんだ。昨日、リュウは鎖に繋がれてたんだよ。外せないよ。誰かが仕組んだことなんだ」
「誰?」
「それはわかんないよ」
「私、リュウの事良く知らないけど、何かとても悲しいの。どうして?」
美月が口を開いた。
「美月も僕と同じ。リュウが好きなんだ」
「私、リュウを殺した奴見つける」
「いいのよ美月ちゃん。もういいの。見つけてもリュウが殺されたという現実は変わらないんだから」
恵子は目を瞑って言葉を押さえながら答えた。恵子は決してこのままでいいとは思ってなかった。怒りと憎しみが漂っていたが、その感情を懸命に抑えていた。
「でも悔しいの……だって酷いよ……」
美月も同じだった。恵子と愁と同じぐらい苦しんだ。
「僕も犯人を捜す」
「愁、やめなさい。もう、いいのよ。もういいの。美月ちゃんも今日はもう遅いわ。帰りなさい。ありがとうね。ありがと。探してくれて、リュウもきっと喜んでるわ」
そう言うと恵子は勝手口を開け、家の中に入っていった。
「美月、送っていこうか?」
愁は優しく言った。美月は首を横に振って答えた。
「ありがとう。でも大丈夫、一人で帰れるわ」
「わかった。じゃあまたね」
愁は歩き、勝手口のドアを開けると家の中から光が漏れてきた。そこで立ち止まり、美月の方を向いた。
「今日はありがとう」
笑顔でそう言うと、家の中に入っていった。
美月は一呼吸して歩き始めた。満月の夜だった。田園は青々と実った稲がなま暖かい風とともに香った。蛙の鳴き声が妙に悲しく聞こえた。そんな明かりもない道を歩いていった。今日は星もよく見えた。
「誰?」
「それはわかんないよ」
「私、リュウの事良く知らないけど、何かとても悲しいの。どうして?」
美月が口を開いた。
「美月も僕と同じ。リュウが好きなんだ」
「私、リュウを殺した奴見つける」
「いいのよ美月ちゃん。もういいの。見つけてもリュウが殺されたという現実は変わらないんだから」
恵子は目を瞑って言葉を押さえながら答えた。恵子は決してこのままでいいとは思ってなかった。怒りと憎しみが漂っていたが、その感情を懸命に抑えていた。
「でも悔しいの……だって酷いよ……」
美月も同じだった。恵子と愁と同じぐらい苦しんだ。
「僕も犯人を捜す」
「愁、やめなさい。もう、いいのよ。もういいの。美月ちゃんも今日はもう遅いわ。帰りなさい。ありがとうね。ありがと。探してくれて、リュウもきっと喜んでるわ」
そう言うと恵子は勝手口を開け、家の中に入っていった。
「美月、送っていこうか?」
愁は優しく言った。美月は首を横に振って答えた。
「ありがとう。でも大丈夫、一人で帰れるわ」
「わかった。じゃあまたね」
愁は歩き、勝手口のドアを開けると家の中から光が漏れてきた。そこで立ち止まり、美月の方を向いた。
「今日はありがとう」
笑顔でそう言うと、家の中に入っていった。
美月は一呼吸して歩き始めた。満月の夜だった。田園は青々と実った稲がなま暖かい風とともに香った。蛙の鳴き声が妙に悲しく聞こえた。そんな明かりもない道を歩いていった。今日は星もよく見えた。