【完】アタシは3代目。
俺よりも強い咲が、相手がナイフを持っていたら負けてしまう。
「先生。…傷は、一生残るんですか?」
深い傷ってことは、絶対縫っているはずだ。
「はい。綺麗に完治するまではいきませんが、あまり目立ちはしませんよ」
咲は女の子だ。
傷が目立たなくなったからと言って、『ま、いいや』なんて思えるほど強くない。
俺は、世界で一番大切な子を、傷付けたんだ。
「大門さん、病室に案内します」
医者に連れられ、咲がいる病室まで来た。
「しばらくの間、意識は戻らないと思いますが、そばに居てあげてください」
そう言って、医者は去っていった。