生きている意味を探す旅に僕は出た。


しかし、僕は大切な人を失った。
失うには早すぎる時期だった。

どれだけ想っていても
時には台風のように荒れ狂う運命に
惑わされることもある。


僕はその荒れ狂う暴風に見事に吹き飛ばされ、大切な人を失ったというわけさ。


人の『死』には、とてつもない
パワーを感じる。

それは、ときには
恐怖だったり孤独だったりする。


でも、僕は考えたんだ
人は肉体の死が本当の死ではなくて

肉体の死のあとに
誰かの記憶に残っていればその人は
その人の中で『生き』ているんだと。

そして、その人の中で忘れられてしまったら、その人は本当に『死ぬ』んだと。


少し、難しいお話だね。
でも、これは知っておいてほしい。

人の死は、誰かの記憶にとどまれば
まだその人は死んでいない。

すべての人から忘れさられたその瞬間
人は本当に死ぬのだと。



だから、僕の大切な人はまだ
僕のなかで生きているんだ。








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