追憶の淡恋詩
夜には海の見える場所でまったりとした時間を過ごす。
あまりそこには会話はない、しかし常にカラダが触れ合っている。
会話はたまに聴こえる船からの汽笛だけで十分だった。






夜が更けると場所を桜木町に移す。
軽く飲んだ後、そろそろ帰らなければいけない時間だ。
しかしお互いに帰るとは言わない。



「今夜は一緒にいようか」
私はこう言うと彼女は何かを決意をしたかのようにうないずいた。
1日デート3回目での奇跡であった。





行った先は桜木町のホテル街。
彼女は黙って私についてくる、初めてのステージはここだった。


私はラブホテルに行くのはこれが初めてだ。
でも桜木町に詳しい私は、場所だけは分かっていた。





ここまで歩いている最中に、私は多少の不安がある。
はたして彼女を満足させてあげる事が出来るだろうか?
彼女を快楽の世界に連れていってあげる事が出来るだろうか?


もしかしたら彼女にとっては、これは余計な心配なのかもしれない。
しかし男の私はどうしてもこんな心配をしてしまう。




部屋に入ると、一緒に部屋を物色する。
それを見る彼女は何やらはしゃいでいる。
私は別の意味で心がはしゃいでいる。


しばらくの時間を過ごしていると、彼女はシャワーを浴びると腰を上げた。
しかし私はその手を取ってまた座らせて、そのままキスをした。
これだけですぐに彼女の動きが止まった。



彼女はまた「シャワー浴びないと・・・」と言う。
しかし私は「そのままがいい」と言ってベッドに押し倒す。
私の中のプチオオカミが現れた瞬間だ。


焦っているワケではない。
シャワーを浴びてしまうと、彼女の香りが消えてしまうのがイヤなのだ。
香りも含めて彼女のカラダを抱きたかった。





そして私は彼女の横にいながら、包み込むように彼女を抱きしめ・・・・・
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