追憶の淡恋詩
~第12章~
してやったりの誕生日から約2年後、僕達はどこにでもいるカップルのように二人の時間を過ごしてきた。


軽くケンカもする時もあったが、そこはお互いに納得するまで話し合って解決をしてきた。




さすがに結婚までは意識はしていなかったが、これからも彼女との関係は続くのだろうと思っていた。



こんな順調な日々を過ごしていた二人にちょっとした変化が訪れた。
会社の人事異動の為、彼女の勤務する店舗が変わってしまったのだ。


転居を伴う異動ではなかったが、彼女と働く場所が変わってしまった。
僕は「まあ仕方ない」と、あまり気にはしなかった。




今まではお互いに目の届く場所にいたが、これでそれは出来なくなった。
この異動の後、会える機会は3週間に1回ぐらいになっていた。




僕は会えないもどかしさはサッカーで解消していた。
彼女にも同じようなもどかしさはあっただろうか?
それは今さら確かめようもない。



それでも久しぶりのデートでは思いっきり楽しんで、そして思いっきり彼女のカラダを抱きしめてきた。
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