俺たち陰陽師!!!!!
「見えますか?刹那クン」
「………何がだよっ…」
俺は俯いたまま唇を噛んだ。
「皆さんの血液が」
「「!?」」
「くっ……」
ジャスの言葉に、涼子と悠太は眉を寄せながら俺に視線を向ける。
俺はただ歯を食い縛り、二人の表情から逃げていた。
なのに。
どうして。
隠していても、周りの状況がまるで隠していないかのように鮮明と見えるのだろうか。
『……』
ブレイクも何も言おうとはせず、冷静に俺を見つめていた。
ジャスは俯く俺に近寄る。
そしてポケットからタブレットの入った入れ物を出した。
俺は隠していても見えるから、ジャスから後ずさった。
「何をする気だ…」
「やっぱり、隠していても見えるのですか」
「っ…」
「はい、コレ」
ジャスに渡されたのはタブレットが入った入れ物。
「薬…?」
『ジャス、呑ます気か』
「えぇ、今の刹那クンには生き血は無理ですからね」
「生き血っ!!??」
悠太は叫んだ。
ジャスはにこりと笑った。
「刹那クンは能力を使う際、少量の血液が必要になるのです。だから刹那クンの中の妖力が“敵”と認識した人を見ると血液を求め、喉が渇くのです」
「(だからか…)」
俺はあの女性と初めて会った時を思い出した。
あの時はその場に適していない、なんて考えていた。
それは、血液が必要になったということだったのだ。