女王の密戯
「ま、頑張れよ」

茶田は生野の逞しい肩を叩きながら言った。背広を着ていると細身にしか見えないが、一度触ればそこにはかなりの筋肉がついていることがわかる。

「他人事ですね」

生野が言うので茶田はまあな、と返した。本来、全く他人事ではない。だが、茶田は別に出世を狙っているわけでもないし、必ず自分の手で犯人を捕まえたいと思っているわけでもない。
警察が犯人を捕まえるならその役目は誰でも構わないと思っているだけだ。

出来ること、することはやはり自分のテリトリーを確りと調べること、それだけだ。

「捜査会議、行くか」

マスコミの取り巻く窓の外を眺めながら茶田は独り言のように呟いた。そしてそれに生野がそうですね、と力強く頷く。






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