厄介な好奇心
「はい。畑山ですけど、どちら様でしょうか?」

 それは心配もよそに余りにもあっけなく繋がり、逆にこっちが緊張の頂点に達する羽目となった。

「あ、宮本です。宮本真二です。学生の頃の友達の」
「学生の頃の宮本真二さん・・・・」

 そうだよな。今更思い出せというほうが無理な話。きっと、もう忘れていることだろう。やっぱり、電話なんかしないほうが良かったか。そうだ、間違いだったことにしてこのまま切ってしまおう。 

 そう思った時であった。 
「宮本さんでしたら、確か私とはお友達では無かったような気がするんですが」
 
 覚えてくれてたんだ。そう、確かに友達未満ではあったが、記憶の奥底にでも眠っていてくれたことのほうが嬉しくて、つい、左手で小さくガッツポーズなど作ってしまった。
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