腹黒年下くんの甘い罠。
「あのさ、彩華先輩知らない?」
さすがに遅いと思って淳太に聞いてみる。
校内にまだいると思うんだけど遅すぎるんだよね。
そんなに僕と帰りたくないの?
「知らねーけど?もう帰ったとか?」
「いや、それはないと思うけど....」
僕の言葉を聞いて淳太は心配そうな表情を浮かべる。
こんな表情の淳太はたくさん見てきた。
淳太、心配症だし。
だけど、今の表情には他の感情も混ざっているようにも見えて....
「あのさ、前から思ってたんだけど淳太って彩華せんぱ.....」
「あー、スッキリした!!」
僕の言葉を遮るように女の高い声が響く。
なんだよ。
邪魔が入った僕は不機嫌になる。