腹黒年下くんの甘い罠。
「初めはやっぱあの桜ノ宮 彩華だから手こずったけどねぇ。」
「計画通り。本当に雷が怖いだなんて。今ごろ体育館倉庫でどーなっていることやら。」
「最後の泣きそうな声、よかったよねぇ。もうこれで侑李くんには近寄らないでしょ?」
何人かの女子の会話。
何?
この内容?
コイツらは彩華先輩に何をしたの?
楽しそうに笑う女子の笑い声がすごくうざい。
「ねぇ、何その話?誰に許可取ってそんなことしてるの?」
いつの間にか女子たちの前に歩み出ていた僕。
女子たちは僕に声をかけられて嬉しそうに頬を赤らめる。
だけどその表情は一瞬で。
僕の笑顔を見て凍り付く女子。
いわゆる目が笑っていない笑顔を浮かべる僕に怯えているのだろう。
不愉快だ。