瞳の向こうへ
次の日になっても雨が降り続いていた。

暑い日がないのは嬉しい。

吹奏楽部の気合いの練習が外からでも聞こえてきます。

昨日ワイワイ騒いだ二人はデートらしいようですが……。

この天気だから、室内かなあ。

もったいないねえ。

……あ!人のデートにとやかく口挟んだらいけませんね。

部屋に入ると潤子先生がせんべいを食べてた。

「いいとこに来た」

「こんなにあるんですか?」

「一人じゃ食べきれんからさあ」

「分ければ」

「思い当たるところは全部配ったけど」

机に山のようにお好み焼きせんべいが積んであります。

「野球部に送ればいいじゃないですか?」

「ああ!!さすが!主役たちをすっかり忘れてました」

潤子先生……しっかりしてください……。

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