瞳の向こうへ
彩佳と別れて私と唯は少し寄るところがあったので、夏空の厳しい暑さの中歩きました。

「試合中だね」

中盤まで試合は進んでる。

観に来てる人はまばら。

観戦する心配はないけど、私たちはすぐ帰る予定です。

「葵、出てるよ!」

マウンドに駆け寄ってピッチャーと何やら意見交換してる青柳君の姿がありました。

ここは某プロ野球チームの二軍グラウンド。

青柳君は去年ドラフトに指名されてプロの道に進みました。

本人は大学で野球は終わりと決めていたようですが、熱心なスカウトさんに心境の変化が芽生えてプロの世界に飛び込みました。

「プロかあ。どういう世界なんだろう」

「厳しいよ。青柳君がここからはい上がってほしいな」

厳しい世界を選んだ青柳君もまたいばらの道のりが待ってる。

夢見る一軍のレギュラーを掴むまではがむしゃらに進んでいくことを二人でそう思いながら、ほんの少しの寄り道を満喫した。

< 316 / 325 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop