瞳の向こうへ
会場に私は一人タクシーで乗って来た。

最優秀賞を受賞してはや一年。

世の中の流れは嫌になるほど早い。

若い芽がとれだけ開いているか確認するために訪れた。

「久しぶり〜」

今年もホール入口前のロビーに去年の歓喜をわかち合ったメンバーが集まっていた。

「松井さん、婚約おめでとうございます」

「言わなくてもいいのに、どこぞのお口が悪い先生がいてね」

「レジェンドがおみえになりましたよ〜。真緒ちゃん、気合いいれなさい!」

松井さんの口撃をさらりと受け流している潤子先生の神経は相変わらず図太いです。

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