瞳の向こうへ
第3話 モテモテな彼
【葵side】


放課後、駆け足で視聴覚室へ。


今日はこれからやることがある。


急いだ割には一番乗りってけっこうあるんだよね。


鍵は開いていたので、適当に座る。


スマホにはまだ慣れない。


時間を潰すにはちょうどいいんだけど、かえって潰し過ぎてもね。


「早いなあ。やる気がビシビシ伝わるぞお」


ユニフォームに着替えた源先生が入ってきた。


「いいんですか?これから練習ですけど」


「お前のことだからじきに終わるだろ。まあ、青柳が上手くやってるから心配すんな」


ふぅっと一息ついたところで、潤子先生と真緒が揃って入ってきた。


「調子は?」


「難しい質問ですね」


「今日は比較的穏やかということで」


源先生は自分のことを言ったの?


「ん?先生のことじゃないぞ。お前のことだからな」


少し頬が赤いんですが。


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