瞳の向こうへ
どちらかと言えば潤子先生の方が……。


あえて言わないようにしましょう。


「とりあえず先生はカフェで待ち合わせだからいってらっしゃい」


潤子先生と一端別れた途端携帯が鳴る。


いまだスマホに不慣れなため少し時間がかかってしまった。


『元気?』


「どうしました?彼氏と喧嘩しましたか唯さん」


電話の主は唯だった。


しかも、テンションがかなり低い。


『喧嘩?デート寸前で学校からお呼びだしで〜す』


「あらら〜?ついに交際がバレたんですね」


とりあえず病院ロビーのソファーに座った。


迷惑にならないように端っこにね。


『あたしはバレないようにしてるからご安心を。野球部の応援について生徒会の話し合いです』


「気が早いねえ」


『あたし見たの。この前テレビの人やら記者の人やらが校長室で話をしてたの。嫌な予感したけど、まさか今日とはね』

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