瞳の向こうへ
刈谷先輩が俺の頭越しにキャプテンに何か言ってる。

こういう時は目をフルに使って何を言ってるか感じとる。

……でも、わからないものはわからん。

『すまんな。こいつの脳みそ野球の塊だからお前との会話を完全スルーしたよ』

『幼なじみとして謝る』

キャプテンの鋭い視線を浴びた刈谷先輩が見事に肩をすくめた。

『一応出来るんだけど、不安なんだよな』

刈谷先輩はあながち間違ってはいない。

何かこじんまりとした手話だなあと薄々思ってはいたが……。

『一応レギュラーなんだからな!頼むよ!たまには意外性みせろよ!!』

二人が同じ手話で刈谷先輩がまた肩をすくめた。

『ちなみに刈谷先輩は何て言ったんですか?』

こうやって先輩に助け船出せるようになったのも成長したなあってしみじみ思う。

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