身勝手な恋情【完結】
「全てはスケジュール通りに仕事を終わらせられない蓮が……! い、いや、その蓮をどうにか支えるのが副社長である俺の役目なんだけど……クッ……今日という今日ばかりは、あいつを恨まずにはいられない……そうだよ、こんなの、高校の時に俺の片思いしていたカノジョから蓮へのラブレターを渡されて以来の憎しみを覚えずにはいられないっ……!」
「そ、そうですか……」
いつもにこにこ太陽みたいにあったかい祐さんとは思えない愚痴をそれから10分ほど聞かされて――
祐さんの分も立花薫を堪能してきます、と言いたいところだったけど、墓穴を掘りそうで黙っていた。
とりあえずペコッと頭を下げて、そそくさと自分のデスクに戻る。
もちろん、ただの事務員でしかない私が、立花薫氏と直接話せるとは思っていないけど、もしかしたら、ちらっとそのお顔を見れたりして!!!!
なんて、天にも舞い上がらん気持ちで浮かれていた私だけれど――
いったい誰が予想しただろう。
世にも美しい、夢を見せるあの場所で、残酷な現実を見せつけられることになろうとは……。