身勝手な恋情【完結】
「――はい、できた」
不埒な思考を切り離されるように、ポン、と手のひらで背中を叩かれる。
「ありがとうございます……」
顔、絶対赤くなってる。
あとでメイクもこそっと直しておこう。
背中を向けたまま、ぺこりと頭を下げた。
ふと目に入った目の前の姿見の中の私は、まるでどこかのお嬢様みたいに見えた。
(盛大な勘違いだとわかってるけど、シャルル・Mを着られたんだから、そのくらい夢を見たっていいと思う)
偉大なるシャルル・Mのおかげで、なんとかそれっぽく、恥ずかしくない程度に着飾ることは出来たみたい。
たまたまだけどシャンテのパンプス履いててよかった……。