身勝手な恋情【完結】

蓮さんは、冗談半分かもしれないけど、私と「恋」しようかって言ってくれた。

誰でも選び放題の蓮さんが、今は私を選んでくれている。不満に思うことなんかない……。




「に、しても……美しい……ね」



え……?


隣に立つ、少し甘さを含んだ蓮さんのハスキーボイスに胸が高鳴る。


今、美しいって言ってくれた?


馬子にも衣装でも、嬉しい……。

蓮さんに少しでも綺麗って思ってもらえたら。嬉しい……。



キュンキュンしながら蓮さんを見つめると――

「さすが立花薫だな……この階段のスロープ。どこから見ても景色に奥行きがある。天国への階段、審判の門……? こんなに……内装は……ああ、早く舞台のほうも見てみたいな」



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