身勝手な恋情【完結】
目を細めてクスッと笑う和明。
目じりにかすかにしわを寄せるその笑顔。一瞬懐かしさに騙されそうになったけれど、やはり忌々しい気分しか湧いてこない。
恐ろしい奴だ。
どれだけ私が傷ついたか、わかっているくせに、どうしてこんな風に会いに来るんだろう。
佐藤和明。半年前まで付き合っていた元彼。そして以前働いていたデザイン事務所の同僚。
カジュアルなダンガリーシャツにチルデンベスト、ニットタイ。コットンのパンツ姿の彼は、相変わらず清潔感のあるお洒落男子だし、嫌味なくフレッピースタイルがきまってる。
きっともう、シャツにアイロンをかけてくれる女と一緒に住んでいるんだろう。
自分じゃなんにもしない人だったから……。
だけどもう、和明に女がいようがいまいが、どうでもいい。金輪際和明には関わりたくない、それだけだ。