身勝手な恋情【完結】
ぽろぽろこぼれる涙であっという間に蓮さんの輪郭が滲み、見えなくなった。
「――」
蓮さんは無言で、力の抜けた私の腕の中からするりと抜け、私の横を通り過ぎていく。
「蓮さんっ、待って……!」
振り返りざまに、彼に手を伸ばす。
けれど精一杯伸ばした指先は虚しく空を切るだけで……
蓮さんは明らかに私を拒んでいるのに、それでも手を伸ばさずにはいられない自分が嫌だった。
本当に、自分がこんなに粘着質な、しつこいタイプの女だとは思わなかった。
怖い。自分が怖い。だけど止められない。
イヤだ。
蓮さん……
「蓮さんっ……!」