身勝手な恋情【完結】
「私の名前は、可憐といいます」
かれん……?
一瞬彼女の言葉が頭に入らなかった。
「高槻可憐です。あの人の妹、なのかな。生まれて一度も会ったことはないけれど……」
どこか自嘲するような響きで、可憐と名乗った彼女は唇を歪ませる。
「だけど今日は、会わなくちゃいけないと思って、会いにきたの」
そして彼女はピンと背筋を伸ばし、ゆっくりと私に視線を向ける。
かれんって……
れん、と、かれん――?
心臓が強く脈打つ。
その青みがかった白目の美しい瞳があまりにも蓮さんに似ていて――
座っていたにもかかわらず、目まいがした。