身勝手な恋情【完結】
可憐さんは泣きそうな顔で立ち上がり、祐さんと、入口に固まったままの私へと視線を向け叫んだ。
「あの人は無関係じゃない! わ、わた、私の本当のお父さんなんだからっ……!」
一瞬目の前が真っ白になる。
え
えええ?
「えっ……!?」
祐さんと私、声をそろえたようにそれだけ言って、凍り付く。
「お、おとうさん……?」
お父さんって――
お父さんって、お兄ちゃんじゃなくて、お父さん?
「ちょっ、ちょっと待って!」
祐さんが慌てたようにソファーから立ち上がったけれど
「責任とってもらいますからっ!」
可憐さんはそう言い放ち、入口に立っていた私に体当たりしながら、応接間を飛び出していた。