身勝手な恋情【完結】
考えまいとすればするほど、私は社長のことを意識している。考えている。
それって要するに――
「はぁ……」
その「事実」に考えが突き当たると、またため息が漏れた。
要するに私は社長のことで頭がいっぱいってこと。
悔しいけれどそれが現実。
あの夜からずっと、私はずーっと、社長のことを考えている。
「保身」だとか色々理由をつけているけれど、傷つかなくて済むように、たくさんの「いいわけ」を頭にならべて、逃げようとしているだけなんだ……。