身勝手な恋情【完結】
風邪を引いたら大変だと、壁にかけていた祐さんのコートで彼の肩を覆っていると
「――俺のせいだね」
蓮さんが目線を落としながらささやいた。
「蓮さん……」
「ひよ……お前にも心配かけた」
そして彼は、そのまま膝の上の私の甲の上に手のひらを重ねる。
「知寿(ちず)に会ったよ」
「ちず……?」
「義理の母親」
「――」
ドキン、ドキン、と鼓動が早まり出す。
「可憐のこと、聞いた」
「――なん、て」
「俺の子だって」
「――!!」
ガツン、と頭を殴られたような気がした。