身勝手な恋情【完結】
ベッドの上で膝を抱える。
「~~っ……うっ……ううっ……」
膝に涙がしみ込む。
私、少しくらい強くなれたと思ったのに、まだ全然弱虫だ。
っていうか、『だってだって』って言い訳探して、うじうじして、メソメソして、ほんと、やだ……。
そうやってしばらくベソベソ泣いていたら、バタン、と勢いよくドアが開く音がした。
「ひよ、どうして起きてるの!?」
「うえっ……え……?」
我が目を疑った。
蓮さんが肩で息をしながら入ってきたから。
そしてバタバタと私のそばに歩み寄ってきて、紙袋をベッドの上に置き、私の前髪をかきあげ手のひらをのせた。
蓮さんの手のひらはひんやりとしていて、冷たくて、気持ちいい。
「熱はあるのかな……とりあえず風邪薬買ってきたから」
そして買ってきたミネラルウォーターの栓を開け私に持たせると、薬をざらざらと取り出し、私の口の中に放り込む。