身勝手な恋情【完結】
「お前が邪魔してるんだろ?」
と言っても、責めている雰囲気はない。微睡みに似た蓮さんの声はとても優しい。
だけど邪魔をしているのは事実だし。
名残惜しい気持ちを振り払って彼の膝の上から降りた。
「向こうで待ってますね」
「うん」
乱れたスカートのすそを直しながらそう言ったその瞬間――
事務所の電話が鳴り響く音が聴こえた。
「あ……」
振り返る私と、眉をひそめる蓮さん。
「誰だ、こんな時間に……」
「一応、出てみますね。誰かの急用かもしれないし」
「いいよ、出なくても」
「そうはいかないでしょう。もしかしたら祐さんかもしれないし……っていうか、蓮さんが携帯もたないのがいけないんですよ」
「めんどくさい……」