身勝手な恋情【完結】
本当に、心底面倒くさそうに蓮さんはため息をつき、そして髪をくしゃくしゃとかき回す。
めんどくさいって……
社長がこれじゃあ、本当に祐さんの苦労がしのばれる。
苦笑しながら受話器を持ち上げた。
「はい、高槻デザインスタジオでございます」
『――』
シン、と静かで、応答がない。
「あの……?」
『蓮、いる……?』
「――!」
電話の向こうから聞こえてきたのは、か細い女性の声で――
心臓が跳ねた。
「ひよ?」
固まった私の様子を変に思ったのか、背後の蓮さんが私の名前を呼んだ瞬間、向こうでも息を飲む音がした。