身勝手な恋情【完結】
今から……知寿さんのところに行くんだ。
仕方ないって頭ではわかっているけれど、胸の奥がぎゅーっと締めつけられる。
「可憐、さん……?」
「ああ。また、いなくなったって……たぶん前と同じところだ」
「そうなんですか……」
声が落ちる。
あ、だめだ。こんなふうにいちいち落ち込んでいたらダメだ。蓮さんを傷つけちゃう。
何とも思ってないフリしないと。
「ひよ」
ハッとした。もしかしたら私、暗い顔してたかもしれない。
「は、はい、その、気にしないで、行ってください! わたしっ、だいじょう――」
「ひよ」
グイッと腕をつかまれて、そのまま正面から抱きしめられる。