身勝手な恋情【完結】
「ごめん……と言っても、お前を傷つけるだけだけど……ごめん」
「――」
言葉だけでも胸が苦しくて――
私に触れる蓮さんの手の力にもっと苦しくなる。
「だけど可憐には、俺みたいに寂しい思いをさせたくない……」
「――はい」
多くを語らなくても、蓮さんの言いたいことはわかる。
過去、信じた人から裏切られて
だから人一倍傷つきやすくて……
それでも蓮さんは、未だに割り切れない相手から知らされた「娘」という存在を、必死に受け入れようとしている。
だったらせめて私くらい、蓮さんを心配させたくない。
「大丈夫です。わかってます。だから行ってください」
顔をあげてニッコリと笑うと、蓮さんはなんだかとても困ったような顔をして。大きな手で私の頬に手を添えた。
「――ダメだ」