身勝手な恋情【完結】
どうせ私の携帯番号だって、蓮さん経由か、とにかくどっかから聞き出したに違いないんだから!
『あら、そう。見つかってよかった。でも着払いだなんて困るわ。とても大事なものだし……直接受け取りたいわ』
「――」
『ね、お願いします。可憐がお世話になったお礼も言いたいし……』
「――」
お願いという彼女の声はとてもしっとりしていて、上品で。
ずっと聞いていたくなるような、そんな魔力を持っている。
女の私ですらこうなんだもの。
この人にかかったら、たいていの男はコロリといってしまうだろうな……なんて不毛な考えが頭をよぎる。
って。やめやめ!
こういうのが相手に付け入る隙を与えるんだから!
今はそんなことよりも、もっと大事なことがある。
「わかりました。お会いしましょう」