身勝手な恋情【完結】
「お前、それって……」
いいとも言ってないのに、勝手に隣に腰を下ろす和明は、私の手元を見て目を丸くする。
ジントニックの側で拡げているのはインテリアコーディネートの本。
シチュエーションごとの写真を集めたものだ。
「ああ……。実はね、今地元で専門学校に通ってるんだ」
「え……?」
信じられないと、目を丸くする和明。
だけど和明の前でも、恥ずかしいとは思わなかった。
むしろどこか誇らしささえ感じていた。
「もう、二年目よ。才能ないって諦めないで、勉強してみようと思って」
この気持ちは、蓮さんが私にくれたものだ。
そして未来につながる勇気だ。
失ったものもあるけれど、こうやって新しく芽吹く思いもある。