身勝手な恋情【完結】

好きな人に向かって『ああ見えて』はないかもしれないけど、まぁ、仕方ない。それが本心だし。

それに香港でもどこでも、蓮さんが元気でいてくれるなら、いいや……。




――――……



そして迎えたその時を迎えた10月。


一年間で結婚式がもっとも多いんじゃないかというこの季節

空は青く美しく、風もさわやかで、本当に気持ちのいい季節だ。



「おめでとう!」



教会のドアから出てくる祐さんと和美に向かって、薔薇の花びらを投げる私。

色とりどりの薔薇の向こうで笑顔を浮かべる二人は本当にきれいだった。


蓮さんにも見せてあげたかったなぁ……。

きっと、見たかっただろうなぁ……。


ぽーっと見とれていると、和美が私のもとへとやってきて、持っていた白い薔薇のブーケを押し付けてくる。


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