身勝手な恋情【完結】
腕に抱えると、青い薔薇の香りがふんわりと漂う。
「え!? ブーケトスとか、しないの?」
「知らない人にあげるより、ひよに貰ってほしい。だってこれ、3万円もしたんだからさ~」
冗談めかして笑う和美と、ニコニコ笑ってうなずく祐さん。
人の気持ちが嬉しくて、涙がにじんだ。
そのあと行われた披露宴は仕事関係の人が大半だったけれど、祐さんの人柄からか、終始和やかな雰囲気だった。
しかも途中司会者さんが、今はロンドンにいるという蓮さんからのお祝いの電報を読み上げて、会場は大爆笑。
なぜかというと、その内容がお祝いと言う名の嫌がらせとしか思えない、祐さんの小さいころの面白エピソードばかりだったから。
恥ずかしがる祐さんと、大笑いする和美。
みんなが笑顔で、私も本当に嬉しくて――
蓮さんはここにいなくても、彼は同じ空の下にいる。
気持ちで繋がっているような気がした。