身勝手な恋情【完結】
櫻ひよ。
それが私の名前。
「ふぅん……あまったるい名前」
彼はくすりと笑って、それからゆっくりと体を倒す。
そうやって体勢を変えられると、また私の体は素直に反応して、声があがる。
「ひよ……」
少しハスキーで、けれど甘い声で
耳元でささやかれて
ゾクゾクと体が震える。
「感じまくってるね。いい反応。やっぱり俺って見る目あるな」
額に黒髪が張り付いていて、彼の色気は壮絶にまで花開いている。
見る目ってどういう意味だろう?
と思ったけれど、もうそれを問いかけることはできなかった。