身勝手な恋情【完結】
クスッと笑いながら、彼の乱れた前髪をそっと指でかきわける。
「――ん……」
かすかに蓮さんが声を漏らす。
そして柳の葉のような眉が、ぎゅうっと寄せられた。
「あ……」
もしかして起こしてしまった?
声をかけようと口を開きかけた瞬間――
「う、あっ……」
蓮さんが恐ろしく苦しそうに、うめき始めた。
それまでやんわりと投げ出されていたデスクの上の手が強張り、震え、薄い唇は色を失い、カタカタと体が震えはじめる。いつもはひょうひょうとした端正な顔に、ドッと玉のような汗が噴き出だす。