早く気づけ、バカ。





「ごめん、赤坂君。用事があるんだ。」





_赤坂君_


そのなれないフレーズをがんばって智治に伝えた。





「絹、どうした?

 いきなり赤坂なんて呼び出して。」




少し、うつむきながら


言う君。



「別に意味なんてないよ。ただ、優華ちゃんにも悪いし。」






「なんでそんなこと気にするんだよ??俺は別に・・





 絹の事友達としか見てない。






 絹だってそうだろ?」






パリィンっと


何かが崩れ落ちた。




ふっと


笑みがこぼれる。


自虐的な笑みだった。







「おい、絹?

 なんで





 泣いてるんだよ?」







「泣いてなんかないよ。」





笑ってる。


笑ってるでしょう?








そっと頬に手を添えれば





確かに雫が。






違う違う。





きっとこれは汗。





認めたくない




分からない。
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