早く気づけ、バカ。
「そうだね、智治は友達、
とでしか私を見てくれなかったね。」
「絹?なに言って…。」
言いたい。
今ここで伝える?
言いたくない
これ以上嫌われたくない。
心の中で様々な思いが交差する。
そんな中口からはどんどん言葉がつむぎだされていく。
「ごめんね、智治。
私だけなんだよね。
分かってたはずなのに。」
胸が痛い。
きりきり痛んで痛い。
智治はじっと私の言葉を聞いていた。
「絹?」
「ごめんね。
私は智治のこと
友達として見れて無かったよ。」
いつだって私は
恋愛対象
好きな人。
そんな目でしか君を見れてなかった。
始めて出会った日から
風の日
雨の日
雪の日
晴れの日
全部
君しか見えてなかったよ。