早く気づけ、バカ。
「お、いいなそれ。」
「どこ行くー?」
足音が近づく。
二人が校門から出た。
涙を流しながらもほっとした瞬間。
重なった二つのカラダ。
ずるずるっと体の力が抜けて
木にもたれかかりながら
座り込んだ。
「…あ…。」
優華ちゃんの唇から唇を離した君と
目が合った。
その瞬間車の止まる音。
「絹?」
「し、ょーちゃ…。」
ぼろぼろの顔でしょーちゃんに手を伸ばす。
助けて、しょーちゃん。
胸が痛いの。
「絹…?」
遠くで私の名前を呼んでる声がする。
「絹、ちょっとつかまって。」
そういってしょーちゃんが私を抱き上げ、
車へと向かい、
助手席に乗せてくれた。
しょーちゃんも運転席に乗り込み、
早々にアクセルを踏んだ。
バックミラーに
小さく
走る君が見えた気がした。
キキっと静かなところで車が止まって、
私としょーちゃんは後部座席に移動した。。
「しょ、ちゃあ…。」
「絹…。」
悲しそうな悔しそうな…なんともいえない表情で私を見るしょーちゃん。
「どないしたん絹?
絹は、なんも見てへん。
見てへんやんか・・。」
ぎゅっと、痛いほどに抱きしめられ
私はまた泣いた。