早く気づけ、バカ。
「えー、じゃあコスプレ喫茶でいい?」
【はーい。】
たくさん話し合って、私達のクラスはコスプレ喫茶をすることになった。
「えー、じゃあこれで決定な!!」
教壇の上でみんなをまとめる智治の姿はきらきらしていて。
思わず見とれてしまいそうだった。
「絹ー?」
「あ、ほの。」
話し合いが終わり、HRも終え、あとは帰るのみ。
私は教室に突っ伏していた。
「しょーちゃんの所へは行かないの?」
「あ。行かなきゃだね。」
忘れていた。
「ばいばいほの!!」
「はーい、また明日。」
慌てて鞄をもって保健室へと走った。
黄昏に染まる夕日がまぶしくて
思わず目をつむる。
逆光の中
二つのシルエットが重なった。
まぶしい。
誰か分からない二つの影。
あのときを思い出して
思わず涙があふれそうになった。
「あ、行かないと…。」
私はまた走り出した。