早く気づけ、バカ。



ガラガラっと保健室のドアを開ける。


すると椅子に座ってぼーっとしているしょーちゃん。


小動物みたい…。



「絹ー!! もう遅いやんかぁ。」



ぷっくり頬を膨らませていうしょーちゃん。



「うーわ、かわいい。」


「な、なんやねんそれぇ。」



そこらへんにあった椅子を引き寄せ、腰掛けた。



「なにしてたんよー!? めっちゃ寂しかったんやから!」

「んーと、少し用事頼まれてて。」


「なんや、そうやったんかぁ。」




しょーちゃんが立ち上がり、ごそごそ棚を探る。




「絹ー、ココアでええ?」

「あ、うん。ありがとう。」



コポポポ__


じょーちゃんがカップにお湯を注ぐ音が響く。




「んー、どうやったぁー??」



ココアを入れてくれながらいうしょーちゃん。



「なにが??」



「文化祭。どうなったん?」




はい、としょーちゃんがココアを渡してくれる。

私はソレをありがとう、と言って受け取った。





「んーとね、実行委員長になっちゃった。」



ふーとココアに息を吹きかける。

しょーちゃんも同じようにして覚ましていた。




「えー!! すごいやん絹!!」


「いやいや、でもね…。」


「んー?」


首をかしげるしょーちゃんは
女子顔負けなくらいかわいい。



「智治と二人でなっちゃったんだ。」




「ほんまに!??」




「うん。」





唖然とするしょーちゃんに
申し訳なくなる。




「んー、まぁええんちゃう?

 これを機会に友達同士になったらええんちゃうん?」



「うん、私もそう思ってる。」




しょーちゃんはにっこり笑っていった。








「俺、絹のこと信じとるから!」
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