早く気づけ、バカ。
「じゃあ、俺ちょっと職員室行くから、先車行っといてくれへん?」
「あ、うん。」
しょーちゃんは私に鍵を握らせ、颯爽と職員室へ走っていった。
私は靴を履き替え、職員用の駐車場の下へと歩きながら、お母さんにメールを打つ。
「んー、友達と遊ぶから遅くなるー…っと。」
送信しました、の文字を確認してから携帯を鞄に戻した。
駐車場に着き、しょーちゃんの車に乗り込んだ。
ふわっと香る、しょーちゃんのにおい。
男の人なのに、タバコのにおいはしなくて、
しょーちゃんが付けてるさわやか形の香水のにおいがして、いいにおい。
「ふぉー。」
背もたれに背中を任せて
フロントガラスから空を見上げた。
「どうなるんだろ、私。」
本当にどうなるんだろう。
このままずっとしょーちゃんと一緒なのかな。
「このままで、いいのかな?」
疑問だけが私の頭を支配した。